「転職したいけどもう〇〇歳だから転職先が見つかるか不安」という人は多いのではないでしょうか。
特に男性は年齢を増すごとに転職をするのが難しくなってくるとも言われています。
その理由として、同じ企業で働き続けていた場合にはある程度のポストを獲得している立ち位置にいることが多いからです。
そのため30代での転職の成功率は20代の転職に比べて低くなっています。
では、実際に転職に年齢は関係するのか、年齢によって転職の成功率は変化するのかなどをご紹介していきたいと思います。
転職をする人々の平均年齢と平均年収
では、実際に転職をする人の平均年齢はどれくらいが多いとされるのでしょうか。
そして、転職理由ともなり得る平均年収にも着目していきたいと思います。
平均年齢
まずは、転職をする人々の平均年齢から見ていきましょう。
転職をするとなるとそれぞれの人でそれぞれの理由があります。
転職を成功させている人々の年齢はやはり34歳以下となりました。
その中でも25歳～29歳が15.9%と多くの転職率があるのです。
25歳～29歳が多くなっている理由として「入社してから勤続3年の壁」が大きく関係しているようです。
新卒入社など、よく世間では「入社したらとりあえずは3年間続けなさい」という言葉をよく聞きます。
これは、企業の内部事情を知る期間や一人前として仕事を任されるまでの期間、今後の経歴のためなどの理由が大きいのです。
入社して3年以降で、仕事の全体像を掴むことができた場合に改めてその仕事が自分に向いているかどうかを考える人が多いのでしょう。
次に多いのは20歳～24歳でした。
20歳から就職をしている場合は「入社3年の壁」は突破しています。
その場合は上記と同じ理由になりますが、この年齢層の割合が多いのは入社してから内部事情を知ることですぐに退職してしまう若者も多いというのも理由のうちの一つともなっています。
次は、30歳～40歳となっています。
この年齢での転職理由で多いとされるのは、やはりキャリアアップ転職です。
20代の下積み時代に一所懸命仕事をし、さらに上のステージで仕事をしてみたいと考えることや、仕事をした上で様々な理由から新たな業種を経験してみたいと考える人が多いようです。
しかし、この年代になると20代に比べ簡単に転職はできません。
今まで培ってきたスキルや経験があることや、転職先で自分の持っている特性を生かしてどれだけ貢献することができるかなどが重要となってくるのです。
平均年収
それでは、平均年収を見ていきましょう。
まずは20代前半からです。
この年代は新卒入社や社会人として初めての仕事となるので年収は200万円代が平均となっています。
20代の人々も入りたてだから仕方ないと考えている場合が多いのではないでしょうか。
だからこそ20代前半の転職率がトップではなかったとも言えます。
次は、20代後半です。
20代後半ともなると年収が300万円に到達してきます。
ここから日本特有の「年功序列」という言葉のように歳を増すごとに年収が上がっていく傾向にあります。
平均なので年収が悪い場合や、伸び率が悪いなどのことから年収によって転職を考える人も多いとされています。
最後に30代以降です。
30代以降になると400万円に到達してきます。
年収だけで見ると一般的な生活をする上で満足できる金額ともなります。
転職をする人は年収だけではなく、他の部分で転職を考えることが多くなっています。
例えば「人間関係が悪い」や「趣味を仕事にしたい」などの理由もあるかと思われます。
転職には年齢制限が存在する？
さて、本題でもある「転職に年齢制限は存在するか」について見ていきましょう。
転職をする割合は圧倒的に29歳以下が多いとご紹介しましたが、30代や40代はどうなのでしょうか。
「40代だからあなたは転職できません」ということがあれば、30代の時にしている企業にしがみつくしか方法はありません。
先に結果を伝えますと、転職に年齢制限はありません。
転職に年齢制限が無い代わりに、転職成功率が少なくなるという結果です。
では、実際に詳しく見ていきましょう。
「35歳の壁」
転職について調べたり、人の話を聞いていると「35歳の壁」という言葉をよく耳にします。
みなさまはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか。
この転職の「35歳の壁」と言われている1番の大きな理由が存在しています。
それは、どの転職サイトや転職支援施設に行っても35歳以上の求人が大幅に減ってしまっているのがこのように言われている理由となります。
転職をする上で年齢を重視しているという風潮はいまだに存在しているのでこのような言葉や実際の現状が生まれてしまうのですね。
では、なぜ35歳以上の求人が減ってしまうのかを見ていきます。
35歳以上の転職は企業にとって即損力になるような人材であることや、マネジメントの経験、ある程度の実績を必要とするように企業から求められる内容のハードルが上昇します。
そして、企業側も上記のようにハードルを上げるのでそれに伴った給与を考えなくてはならないのです。
35歳以上の人はある程度のスキルや実績を持っていて当たり前と考えられることが多いというのがこの「35歳の壁」の実態となっているのです。
言い方を変えると、こような35歳以上を雇うのであれば新たな20代を雇用し、今現在いる社員の育成に力を入れる方が企業にとっても良いからです。
自分自身が持っているスキルが評価される同業種への転職ならスキルの最低ラインや実績が評価されますが全く別の業界へ転職をする場合には更にしっかりとした準備をしなくてはなりません。
転職前までにその業界でも通用するスキルや知識を蓄えておくなど、転職前にやっておくべきことを網羅していない場合は転職成功率は更に下がってしまいます。
「35歳の壁」を超えるならば評価されるだけのスキルや実績が必要ということをよく覚えておくと良いでしょう。
現在の転職年齢の背景
今現在は人員不足や転職者の増加によってひと昔前と比べてみると比較的35歳以上でも転職成功率が高い環境にはなりつつあります。
60歳が定年とされていた時代もありましたが、今現在は定年を65歳以上にする企業が増えている傾向もあります。
そのため今までの35歳が中堅として扱われていたとすると、今現在はどちらかというと若手として扱われることも多くなってきました。
若手として35歳以下を扱ってくれる企業も増えているということもあり、先ほど紹介したような即戦力になるようなスキルや実績が無い場合でも求人は増えてきているのです。
だからこそ、転職をしたいと考えた場合にはすぐに諦めるのではなく、一度調べてみると思っていた以上の良い求人に巡り会える可能性も秘めています。
30代が転職を成功させるためのポイント
では、転職が厳しいとされている30代が転職を成功させるためにはどうしたらいいのでしょうか。
「30代だから転職をしないで仕方なく今の企業で働く」というのは正解でもあり不正解でもあります。
そのような30代でも転職を成功させるポイントをご紹介していきたいと思います。
面接スキル
まずは、面接時にどのような対応ができるかが重要なポイントとなります。
いかに優れたスキルや実績を持っていても面接で悪い印象を持たれてしまった場合は転職成功率が大きく減少します。
そのため、出たとこ勝負の面接をするのではなくあらかじめ、面接対策をしておくことをオススメします。
特に「志望動機」と「自己PR」に関してはしっかりと相手に伝えられるように文言を考え、ある程度暗記できていると良いでしょう。
その他の質問に関しても、聞かれたら考えることのないようにどのような質問がきてもすぐに答えられるようにあらかじめ準備しておくことがポイントとなります。
スキルや実績
次にスキルや資格、実績です。
転職活動をする際にスキルや資格、実績などは自分自身がどのようなことができるという証明にもなります。
スキルや資格に関しては、今まで積み上げてきた内容をしっかりと伝えられるようにしましょう。
同業界の場合であれば、そのスキルに対してどれだけの実力があるかまで伝えられることが良いでしょう。
全く別の業界であれば、転職し入社する前までにある程度勉強をすることが大切です。
無知な状態での転職活動は成功率を大きく減少させます。
そのため、胸を張って言えるスキルではなくともある程度このくらいは勉強してあるということを伝えられるようにしましょう。
資格に関しては今まで習得したもの全てを一度見直してみるべきです。
必要無いだろうと持っている資格を隠すよりも、何もかもを見せて自分自身をしっかりと相手に伝えられるようにすると良いでしょう。
最後に実績です。
実績は資格よりも大切なものであり、自分がどのような仕事をしてどのような成果をあげてきたのかを相手に知ってもらえる良い機会です。
実績は言葉で説明することも可能ですが、できるのであれば何か形にして相手に見せられる状態にしておくことがベストと言えます。
ポートフォリオや表彰状などを指しますが、目に見えないマネジメントなどは言葉で説明するのでなるべくどのような仕事をしてきたのかをわかりやすく伝えられるように準備しておくことをオススメします。
転職先の理想を追いかけすぎない
今現在の仕事に何も不満が無い状態で転職を考える人はほぼいないのではないでしょうか。
転職を考えて調べていると魅力的な求人が多くありますが、あまりにも自分の理想を追いかけすぎてしまうと転職の成功率は減少してしまいます。
だからこそ、ある程度最低ラインを決めて転職活動をする必要があります。
どのように対策をするべきかご紹介します。
まずは、今現在している仕事の不満を挙げてみましょう。
そこから譲れない不満だけを残してみて下さい。
その残された不満が自分自身の最低ラインの転職条件となります。
その条件を元に調べてみると求人数も多くなるので更に良い求人に出会える可能性が大きく上昇します。
転職活動で大切なのは、まず自分を知ることです。
「なぜ転職をしたいのか」、「転職をする必要があるのか」などをもう一度我に返って考えてみることをオススメします。
企業が転職者に求める年齢別スキル
では転職を受け入れる企業はどのようなスキルを保有している人を待ち望んでいるのでしょうか。
年齢別に求められるスキルが変わってきます。
それでは、ご紹介していきます。
<h3>20代に求めるスキル</h3>
20代に求められるスキルのご紹介です。
20代は総じて自分自身のスキルや知識を探る探索期とも言われています。
だからこそ、直接的に業務に必須なスキルを転職の際に求められることは少なくなっています。
実際に20代で多くの企業が必要としているスキルはもっと簡易的なものです。
まず「やる気」です。
当たり前と思われがちですが、いざ入社して仕事をしてみるとわからないことばかりでやる気が低下していってしまう20代が多いとされています。
やる気を絶やさず、継続性を持って仕事をする人を企業は欲しているのです。
次に「ビジネスマナー」です。
これも当たり前と思われがちですが、転職をする場合は最初に入社した企業にてビジネスマナーは研修されていると考えられることが多くなっています。
そのため、言葉遣いや取引先との交渉にてビジネスマナーは重視されます。
最後に「将来性」です。
単に興味が沸いたから転職をするという不安定な考え方は企業に好まれません。
だからこそ「その企業に転職してなにがしたいか」、「その企業でどのような成果を上げていきたいか」など明確な目的があると企業側はそこを評価してくれる傾向にあります。
30代に求めるスキル
30代に求められるスキルのご紹介です。
30代はひと昔前とは違い、転職の厳しさが緩和してきました。
しかしそれでも、20代に比べると転職難易度は難しくなってきてしまいます。
実際に30代で多くの企業が必要としているスキルは経験や実績のスキルです。
まず「マネジメント経験」です。
30代ともなると今までの企業で部下がいたと考えられることが多くなっています。
自分自身が仕事をすることは当たり前ですが、それと共に部下の指導をしていかなくてはなりません。
そのようなことをマネジメント経験といい、その経験があると良い評価を得ることができます。
しかし、その経験で部下とどのように接してきたかなど実際に経験してどうだったのかという内容まで重視されるので注意するようにしましょう。
次に「リーダーシップ」です。
マネジメント経験と似ていますが、例えば何かのプロジェクトをリーダーとして任された場合に自分自身がうまく成功させるためにどうするかというスキルです。
誰もが経験できるものではありませんが、プロジェクトではない場合でもリーダーシップは様々な場面で必要とされます。
同じグループの人をまとめ上げ、成功させる力が必要とされるのです。
最後に「成果を作るための自分の強み」です。
営業職で例えるとわかりやすいのですが、1件の契約を取るというのは誰もができることではありません。
だからこそ営業職は歩合制となっているのです。
その1件を確実に取るために自分自身がどのように工夫したのかなどが問われます。
40代に求めるスキル
40代ともなると転職は30代に比べて、遥かに難しいものとなってきます。
20代や30代で求められるスキルはある程度持っていて当たり前と考えられることが多くなっています。
40代で転職をする場合に求められるスキルはただ一つです。
「専門的なスキル」です。
どの業界にも専門をしている分野があります。
その専門として利用しているスキルを十分に使いこなすことができる場合、専門的なスキルが使えると判断され、企業が求める人物となり得ます。
デザイナーであればAdobeソフトを全て使うことができる、飲食であれば和食をが得意で魚を捌くことができるなどのスキルを指します。
そのようなスキルに加え、その業界でどれほどの期間仕事をしてきたかやマネジメント経験があるかどうかなども企業が40代に求めるスキルの内に含まれています。
転職は年齢によって諦めるべき？
以上のことを踏まえ、「転職は年齢によって諦めるべきではない」と言えます。
「35歳の壁」が良い例ですが、企業側も定年の年齢を60歳から65歳に引き上げるなどをしていることによって30代や40代でも転職をすることが現実的になってきているのです。
不満が多い環境で仕事を続けていくよりも、転職にチャレンジしてみるべきとも言えます。
転職活動をする場合は今現在の仕事とどっちつかずにならないよう、しっかりとスケジュールを組んで計画的に進めることが重要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
年齢によって転職を諦めている人は多く存在しています。
今現在の世の中、インターネットが盛んになったことによって今まで知らなかった新たな職業も出てきています。
転職を考えたのならば、まずは一度転職について調べてみるのも良いかもしれません。
転職をするかどうかに関しては、「本当に転職をするべきか」や「転職する業界は今のままでいいのか」などよく考えて慎重に行動をすることをオススメします。
